ゆうくれない

何かを観た感想だったり諸々書き連ねた何か

BLUE/ORANGEを観て

BLUE/ORANGE

DDD青山クロスシアター

精神科医2人と患者1人の3人劇。
キャパは180人くらいでとてもコンパクトな舞台になっている。
しかもステージを客席で挟む形になっている。この形は初めて。
色々な媒体で「舞台から近い距離で観て欲しい、しかも客席も視界に入れて欲しい」というのが書いてあったので、なるほどこれは対面の客席も気になるなと意図を感じ取る。
なんとまあ最前列の座席が取れて目の前が舞台!めっちゃ近い!!
開演前は照明に入れてるゼラ番号を凝視してた(クリアのゼラだったけど多分ちょっと暗めの色だったと思う)
サイドの照明はLEDだったけどあとは白熱電球だった。劇場自体は新しそうだけど照明はちょっと古風(?)だったので意外。紀伊國屋書店のホールとは真逆だった。

舞台は白いテーブルと中央にオレンジとそれを入れてるガラス容器。端にウォーターサーバーと空気清浄機とゴミ箱。

今回観に行った理由としては成河さんが出る、舞台がやたら近いらしい。ということで行ってみた。あとは内容的にその舞台で受け取れるものが多いのかなあとなんとなく思ったのもあり。

クリスは患者ということで、少々物言いが突拍子も無いっちゃあないけど、でもああいう会話の仕方私もしてしまうから(会話の内容が飛びやすい)割とそんなに…?とも思いつつそういやあ退院するし平穏な感じなんだろうなとも思ったり。劇中でブルースが統合失調症の疑いが…と話すが、ロバート曰く、病気までは言わないが、誰しも似たようなことがあるにはあると。
とかなんとか言ってるけど、劇後半だとだいぶ怪しい言動があるのでそうなんだろうなーとは思う。

クリスに断りなく入院を長引かせようとするブルースと、勝ってはできないしベッドが足りないというロバート、そして出て行きたいクリス。

医者2人とも人種差別発言が多い多い。茶化してはいるけどアウトゾーンまっしぐら。
あと、クリスは24歳なのにそれに対して医者ーずの接し方が小さい子と接するみたいでなんというか成人男性との接し方にしては不適切な気がする…明らかに下に見過ぎでは…?でも柔らかい接し方と言われればそうなんだろうけど、決して対等な関係ではないんだなとは思う(医者と患者だからというのもあるけど)

あと医者2人はクリスのリーチの届かない位置でちゃんと話をしている。少しでもクリスが動くと身構えるし。たしかにクリス役の章平さんはめちゃくちゃガタイが良いので勝てっこないのが目に見えてわかる。

だれが正しいとか正しくないとかはよくわからないけど、ブルースは青いしロバートと適当だしどうにかしろよ〜感はある。

劇自体の感想書くの下手だな私。

はーい方向性変えて役者さん覚書みたいなことしまーす。

舞台から観客を巻き込みたいという意図があってか、乱闘シーンでは舞台から降りて客席と舞台の間で大乱闘を繰り広げ客席の目の前を転げ回る。
私は荷物がちょっと手前に置いていたので「お、こっち来るな」と思って荷物を移動さしたそして予想通り来る)
上司と部下との関係とか人間を人間が診断することについてとか、色々こちら側が考えるためには役者が観客を巻き込むのが有効的なのかなあと。
実際客席にもちょっと絡むし。

あとイスが吹っ飛ぶシーン、目の前に落ちてきてこれどうするんだろうな…とチラチラ観てたらあとあと成河さんが取りにきて、え、うっそ近…握手会とかあったらそれくらいの近さやん近…と挙動不審になりかけつつ成河さんをガン見してしまったりなどした。

ブルースとロバートが怒り狂うシーン、成河さんは起こるとワントーン声が高くなるんだなへー。と脳内メモをしつつ、カルテか書類かをバシバシテーブルに叩きつけてぎゃいのぎゃいの怒ってる。

超個人的な話をしますが、観劇週の仕事が修羅場すぎてストレスマッハだったんですが、この怒り狂うシーンでいわゆる憑き物的なものが落ちた気がする。
あんなに怒り狂ってみたいけど私の立場ではできなくて、なんか代わりにやってくれた人を見てなんとなく安心というかスッキリした。
本編とは違う意図ではありそうだけど私が演劇観に行く意味を再確認できた気がする機会だった。

あと成河さんって、映画の脳内ポイズンベリーとか出演作観て思ったけど、怒りの純度高いよね?
怒りの純度高いというか、普通の人の怒りが100%とするとあの人200%までいけるみたいな感じ。カチキレ方がうまいなーと思う。助走なしでいけるみたいな。

「告発します」のいやったらしい笑顔も良かったです。

後半にオレンジ剥いているので閉幕後はオレンジの良い香りが広がるんですが、いやーそんなスッキリした終わり方じゃないんだなこれが!!

オレンジの残りがとエンディングの対比まで考えてらっしゃるのかはわからんけども!!

この脚本、堅実ではあるが技量のない役者がやると多分退屈に感じるだろうとはなんとなく思ったので、今回この役者でみれてよかった。