ゆうくれない

何かを観た感想だったり諸々書き連ねた何か

熱海殺人事件を観て


死ぬ前につかこうへいの舞台を観よう!と、紀伊國屋ホールに行ってみたい!の両方の希望が叶った、熱海殺人事件

客席が縦長なんだけど舞台はこじんまりとしている!奥行きはちょっとあるものの間口が少ない!しかし照明がLEDばっかりだ!!なんでだ!!客席はめっちゃ時代を感じるのに!!!!
となんとなくちぐはぐ感を感じつつでもそれもまた良き…と思いました。

熱海殺人事件、熱量が凄いな!!暑苦しいな!!(褒めてる)これはつかこうへいだからか役者の若さなのか両方なのか!!

木村役の味方さん、ハイトーンボイスめなのは知っていたけど生で観たのは初めて。声が通る通る。
今泉さんとノンスタの石田さんはあまり声が通らない声質?なのもあって味方さんの声の通り方が凄まじい。金太郎役の佐藤さんも声通る人ではあるけど味方さん声が強い。でも役柄的にこの声武器だなーと思った。

前半は木村が熱海で起きた殺人事件を自分好みの事件に仕立て上げようとあれやこれやしようとする。後半は金太郎と殺された女の隠された真実…という感じの流れ。

中盤になぜか木村が海賊王に俺はなる!!と言い出し、ゴムパッチンが始まる謎演出(完全にコント)で、「おおっとー若手が多いからと言ってこのノリは許しがたい〜」と思ってたけど、さすがお笑い芸人、石田さんが見事に笑いを取っていったので許した。
完全に下ネタだったんだけど、「思いついてしまい申し訳ありませんでした!!!」も面白かった。

暑苦しい熊田はノンスタの石田さんがその暑苦しさを演じ、片やギャグは完全に持っていく美味しいところ。床によだれがーの流れでよだれで滑る動きがうますぎてどうしようかと思った。

今回も役者の力技が必要な舞台だった。若手ならではの熱量で押しきったなと思う。

ラスト近く、金太郎に木村が花束でバシバシ叩くシーン、よく意味が!!わからなかった!!
閉幕後に本物なのかなーどうなんだろうなーと見にいったら本物だったのでびっくり。菊の花だったっぽい。

グッときたのはカーテンコールで味方さんが吸ってたタバコを灰皿の上に乗せてあって、そこに照明を当てる演出。
多分つかさんのことを表してるんだろうなーと。

今回のつかこうへいの舞台を観に行こう!も、私は頑張ればつかさんが直接演出してた舞台が見れたかもしれないという悔しさがあったから。
ロビーにつかさんの写真のパネルがあったけど、写真撮ってる人が少なくてちょっと寂しかった…。

とかなんとか言いつつ、つかこうへいのことはこれっぽっちも知らなかったんだけど、ちゃんと落とすとこは落とす戯曲家だったんだなーとは感じた。つかこうへい作品、またの機会に観に行こう。