ゆうくれない

何かを観た感想だったり諸々書き連ねた何か

韓国版スリルミー

 

2018、2019年の成河&福士ペアに殴られて以来忘れられないスリルミー。

過去、日本版や韓国版の感想ツイートやブログを読み漁り、どうやらキャストの組み合わせと同じくらい解釈があるらしい・・・。

 

そして栗山さんの演出と違うスリルミー、

俄然興味がある!!

ということで興味と気合でちょこっと韓国語も覚えて乗り込んでいきました。

2ペア観てきたんですが、とりあえず全体的なことを書きます。

 

舞台装置:

話題(?)の舞台装置ですが、普通に良いんじゃないでしょうか。(前の席だと二階部分が観えづらかったが)

確かに今までの舞台装置からすると物が大分多いんですけど。

いろいろな舞台装置の可能性が観れてよかったです。

今回の舞台だと照明が割とカラフルに使ってても違和感なかったですし、

どうしても左右の演技が増えがちですが一段上がったところは青照明を当てていたりして立体感は出てたと思います。

横長なので電話のシーンも「私」と「彼」が上下で同じ動きしてて面白く、あのシーン全般的に好きです。

思ったより劇場の奥行が狭くて驚きましたが。

あと映像で後ろに星球つけてるんだなー

ロマンチック~と思ってたら

 

ただの壁の傷でした。(「計画」のとこの映像)

 

黒い壁に白の細かい傷ついてたら

そうみえるじゃない!!

確かに星球にしてはちょっと位置が

低すぎでしたね(そういう問題でもない)

 

落葉した木々は最初「冬にやる公演だし冬使用なのかなー葉っぱあったら照明邪魔だしちょうどいいな」とかぼんやり思ってましたけど

 

そんなわけなかった

 

・汚れた窓

・灰色の壁

・落葉した木々

・古めかしい階段(金属っぽい?)

ちなみにこの階段部分、緑の照明が綺麗にあたるので(青もあたるかも?)

昔は綺麗な銅でできたものだったが年月が経って錆びて青銅になった雰囲気になってる。

 

わあこれ完全に「私」の脳内箱庭じゃん。

 

時が経過してありとあらゆるものが錆びたり汚れきった中、「彼」だけが当時のまま現れるのヤバイですね。

(ロスコ焚いてもっくもくで出てくる)

 

あと二階部分があるので一階部分の照明は全部前から当てないといけないの

地味に鬼畜仕様だと思いました。泣いちゃう。

(舞台装置そのものが高さあまり無いので一階部分に吊るせない?)

木の後ろに小さい照明つけてたりしてて随所に工夫してるなーと。

 

あとよくよく思い出すと階段の手すりが片方だけにしかついてないので、二階と一階行き来するときとか踏み外すと落ちる・・・怖い・・・

(特に劇中に踏み外したりとか無かったです。)

にしても電話のシーンで暗めの照明で二階と一階行き来するの鬼畜では??

(シーンによってはほぼダッシュで階段下りてこないといけない)

 

あと後ろの壁は自動で動いたり「私」が稼働させたり。

 

 

照明:

横からの照明がシーンによっては「白」「オレンジ」「青」「緑」(4つそれぞれある)

割とカラフル!!実際はそんなにカラフルに当たってるようにはみえなかったですけど。

立ち位置によって当たる色が変わってた気がするので、場所の区切りとかその時の心情を出していたんではなかろうかと思ってます。

教えて!有識者!!!!

 あと「私」がカバンを壁側に投げる場面、青の照明に当たらないのか毎回ちょっとひやひやする・・・。いや当たらないようになっているんだろうけど・・・。

 

 

ペアごとの感想~

私役:ヤン・ジウォン(양지원)

彼役:ノユン(노윤)

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8歳差スリルミー。

 

ハモリはこっちのペアの方が好みだったかなー

と思いました。

すれ違ったゆえの99年。

双方の行動がもう少し違っていたら

こうはならなかったんじゃなかったかなあ。

と、ジウォン私の哀しみの表情で

そう感じられました。

ちなみに最後のスリルミーのとこは

「私」だけが振り返って幕。

彼は壁を向いたままでした。

最後まで「私」を見てあげない「彼」・・・

もうジウォン私が最後までかわいそう。

 

ジウォンさん伏し目がちな表情がめちゃくちゃ「「「美」」」で哀しみの表情が上手い。

あと気軽に(?)影を背負える。なんで。

インタビュー動画とかだと盛り上げ役なお兄さんだったのに何でこんなに影を背負うのが上手いのか。

  

そしてジウォン私、

彼氏にDVされて周囲から別れろっていわれても

「でも彼には僕しかいないし・・・」

ってなんやかんや別れなさそう

(あくまで個人の意見です)

 

前半は終始デレッデレである。

 

「彼の好きなとこは?」と聞かれたら

「全部(ハート)」な勢い。

 

契約書のシーンで彼ガン見で

見事なタッチタイピングを披露。

 

放火のシーンがめちゃくちゃ・・・

なんかこう全年齢対象ではない雰囲気・・・

燃えてるのは倉庫とあなたの心ですね??

ってかんじ。

 

電話のシーンで「いや、お前だけだ」

って言われたリアクションが

えっとどういうリアクションしようかなと

考えて冷めた表情したのちに

純情そうな雰囲気で返していた。

 

ただ、彼が土下座して司法取引を取り下げるよう頼むシーン、ほぼ無表情だったけど少し哀しみもあるような?

あんな姿の彼見たくなかったんだろうなあ。

と少し心が痛む。

「私」が選択したことなんだけど、

あまりにも哀しすぎる。

 

 

ノユンさん、今期スリルミーキャストで最年少。

ノユン彼、声が渋くて結構ドスもきかせるので

ところどころ怖くて泣いちゃう。

どうにか利用してやろう感。

最低限のことしかさせてくれなさそうな冷酷さ。

公園でタバコを吸うシーン、「私」に迫られると

灰を落として去っていくの最高でした。

「私」の目の前はタバコの灰と煙だけ・・・。

 

公園ファイトのとこは床にいる「私」の顔面を

蹴ろうとするえげつなさを垣間見るが、

さすがにやりすぎと思ったのか

蹴らない優しさ(?)をみせる。

ノユンさん、もう少し演技の引き出しが増えるとさらに魅力的な彼になりそう。

 

 

生韓国スリルミの初のペアだったのでいろいろ衝撃のまま過ぎ去っていってしまった・・・

 

 

 私役:キム・ヒョンジン(김현진)

彼役:イ・ヘジュン(이해준)

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「私」の計画的な犯行でまんまと99年になる「彼」なペアでした。

 

隙を見つければ唇を狙う「私」

さほど怒らずにストップさせる「彼」

(そしておとなしく聞く「私」)

床が抜けるほどの態度の殴り合いをするペアでした。

床が瀕死。

盗み働いてきたとき、「彼」が荷物こっちによこせってするのに言う通りにしなかったり、

ちょと近くに落としたら蹴り返して

「こっちにもってこいっつってんだろ」

って態度したり

それに負けない「私」の態度だったり一触即発。

観てるこっちがヒヤヒヤする。

最後のスリルミーは両社向かい合って幕。

結構バトルするこの2人に合った幕かと思いました。

 

「彼」と一緒なら地獄行きでもかまわない☆

逆に彼のいない世界とか地獄じゃん☆

な狂気of狂気をみせるヒョンジン私。

ニコニコしてるけどその笑顔が狂気、ヒョンジン私。

自ら狩りにいくというよりは

アリジゴクに落ちるのを待っているとか、

蜘蛛の巣にひっかかるのを待つとか

そういう静かな狂気かなあ。

主張もそれなりにちゃんとする。

イライラを包み隠さないヒョンジン私。

仮釈放の審議でもイラついたら床を蹴るのでもう少し取り繕おうよ・・・

と思うけど、この人一定レベルと認めた人以外はどうでもいいタイプなのだろうか。とも思ったり。

 

あとたまに見せる絶対零度の眼差しがヤバイ。

 

「今」の「私」を演じるときの目が印象的。

おそらく過去の私のシーンではしない目。

なんだろうな、下瞼を下げたような目をしていた。

 

暗転前にいつも意味深な表情をするヒョンジン私。

暗転前芸が良いです見逃さずにご覧ください。

 

契約書前にニヤッとし、電話のシーンも態度悪いし(ズボンのポケットに手を入れてる)

完全に計画通りな顔してますやんけ

最後の最後にどんでん返し感は薄くなるけど、こういうのもありだなと。

純情そうな雰囲気出してるのに

ところどころ悪い顔するのいいですね。

 

印象的だったのが「計画」のとこ、

「彼」に羽交い絞めにされているのが

嬉しいのか何なのか終始笑顔。

歌詞はまったく笑顔になれないのに笑顔である。

この私、供述はうまくいけば

穴の無い供述できそうなのにわざと手を抜いて

穴ばかりの供述をしてるんじゃないかと。

だってこのシーンの暗転前意味深な顔するじゃん。

 

公園でタバコ投げつけられるところ、

ブチギレですやん・・・。

「おっ???でるとこでるぞ????」

って顔してましたよ。

完全に「彼」終了のお知らせでした。

 

そして司法取引を頼む「彼」をみつめる「私」

笑顔

笑顔ですよ奥さん。

何・・・そのいいもん見たなみたいな笑顔・・・。こわっ・・・。

そして「彼」からごめんなさいキスを拒否するとこですが、

哀しみZEROで

「ん?主導権はどっちだと思っているのかな~ぼ・く・だ・よ?(ハート)」

な余裕のほほ笑みで明確な拒否をしたのち、

自分からガッといくという。

この人恐ろしい。

あの場面、「彼」が主導権を取り戻そうとするとこかとは思うんですが、

「私」のいでたちと余裕な表情で完全にそれが

不可能なことが立証。

拒否ではなく不可能なんですね。

 

その後の99年も笑顔で

「じゃあ・・・答え合わせするね☆」

のノリです。

そんなノリでネタ晴らしするんじゃない

(こわい)

 

ちょこちょこ「私」がネタ晴らしの演技をするので、「彼」がその手中に収まってしまった(と一瞬なる)瞬間の絶望がヤバイ。

 

あと最後の公演のシーンはエンドレスループ

感じでしょうか???怖い。

 

あと余談ですがキスシーンの後とか、

なんか勢いづいた後に唇拭う。

 

 

ヘジュンさん、ちょこちょこアピールするときに首を左右に動かすので色気がある。

あと「私」の触り方が色気というか

全年齢対象ではない触り方!

それで何人の人間を虜にしてきたんですか!

な常習犯さを感じました。

竹宮先生とか萩尾先生の描くギムナジウムもので隠れてタバコ吸ってる上級生でした。

 

そして、場面場面で演技の楔を打ってくる。

スリルミーって「私」がおいしくって下手すれば

「彼」が陰ってしますと思うんですが、

ポイント押さえてくるのでそういう感じが無く。

 

あと日本版だと「世の中騒ぎだすー」の歌のとこの気迫がやばくて泣きそう。

あんな気迫見たことなくて

「新曲か??」ってなりました。

あの場面の「彼」と「私」の角度と高低差と気迫が良かった。

私が画家だったら絵に残してた。

 

そして司法取引やめてと懇願するとこ、

割とプライド無さそうで、迫真の演技で「私」にすがりつく(比喩)

保身のためならプライドは投げ捨てれる系。

(でもそんな中「私」はニコニコしてるので絶望度が増す)

 

アフレイドのシーンは見ごたえがありました。よかったです(語彙力)

死にたくない感、若さゆえの未熟さ、崩れ去っていく瞬間の美しさというやつです。

 

 

ペアの数だけスリルミーがある、そんな感想を抱いた韓国スリルミーでした。