ゆうくれない

何かを観た感想だったり諸々書き連ねた何か

宝塚版 ポーの一族 感想

千秋楽も終わったことですし、思いの丈をぶちまけてみたいなと思って書き連ねてみました。

宝塚大劇場で1回、千秋楽のライビュの計2回、円盤未視聴のため、記憶違い等あるかもしれませんが申し訳ありません。

以下、ネタバレあり




前代未聞(個人的に)のチケ難だったポーの一族
私個人の感想として
「いやこれ今後の宝塚界飛び出して演劇界の伝説になるんじゃ??」
って思った作品(ちょっと言い過ぎかもしれない)

この理由として、
萩尾望都作品を舞台化して、なおかつ少年なのにある種達観した独特の雰囲気を持つエドガーや、その他人物たちを美しく存在させた」
だと思う

この感想は「原作ありきの舞台」である前提。
なので、脚本構成がすごい!とかそういうわけではない(漫画からよくここまで構成したなとは思ったけど)
あくまで原作をいかに料理したかという目線。

大まかな理由の根本が
萩尾望都×小池修一郎×明日海りお(×花組生)
のこの組み合わせだと思いました。

めちゃくそ個人の見解なので
「お前はそう思うだろうけどあれはどうなんだ」
もあると思うんですけどそれはそういうことにしといてください。

個人的な感想を箇条書き
・なんやかんや私は小池修一郎演出が好き
・舞台転換がアトラクションかよ(進行がえぐい)
・ゴシック調良いし一族の振り付け不思議カッコ良い
・「ふふんっ」って感じの顔のエドガーもとい明日海りお最強


まず、「なんやかんや私は小池修一郎演出が好き」

それお前の好みなだけやんけーーーー!!(心の声)
そうだYO!!!!!!!

オリジナル作品は難ありと聞く通称イケコ先生
原作あると強いらしいイケコ先生

ちなみに私、宝塚はポーとるろうに剣心の2作しか観てません。
るろ剣は色々物議出てるらしいですが…
個人的には楽しめましたよ。「宝塚版 るろ剣」として。

そして私のるろ剣の知識は
「剣心と薫がいてあとなんか仲間いる」くらいだったので、だいもんの役が出てきても「へーそうなんだー」って観てたし、「あれ?なんか包帯ぐるぐるの人でないな?」くらいでした。
感想としては「やたらキャラの立ってる時代物」って感じ。殺陣とかもかっこよかったです。

そう、そして演出が小池修一郎

今のところ、私の中で宝塚=小池修一郎なんです…
(※ポーの後に天は赤い河のほとりを見たのでこの限りではないです)

あとミュージカルも割と観るんですが、好きな作品と(いうか曲)

エリザベート
モーツァルト

小池修一郎じゃねぇか!!
(シルヴェスター・リーヴァイさんもいるわ!!)

デーン!!ドーン!!バーン!!!!
って感じの演出が好きなんですよ(擬音ばっかですいません)
盆が周りせりは上がりせりで退場とか
舞台進行さん泣かせなのが大好きです。

そんな迫力の舞台をまわして成立させてるのが凄いなと。

あとこれは演出さんのおかげなのかわかんないんですけど、エドガーがアランにエナジー吸うとこ(2回目)
影トートならぬ影エドガー出てくるんですけど、あの!!影エドガーの背中にアラン君が乗ってエドガーくんが迫るところの構図が
「宗教画かな?」
ってくらい美しかったです。
ただ、兵庫での公演はアランくん80度くらい腰曲がってたんですけど、千秋楽は20度くらいでちょっと残念でした…

あとこのシーン、ネットニュースくらいしか画像無くて私はとても悲しいです。


あと、あと「ギムナジウム
「おいでよひとりではさびしすぎる」
だけで終わったか??と思いきや!!!!!!!
ギムナジウム!!!!!!!!!!!!!!!
(小鳥の巣もやってください!!!!!!)
(子鳥の巣は本当男ばっかだから難しいんでしょうけど…文化祭の時のお姉さんがやってくるとかそれぐらいしか女性出ませんしね…)
まあ原作通りなんですけどね。
あの少しの時間のためだけに制服作らせるってどんだけ…権力か…

長い時を過ごすエドガーとアランを見せてくれました…やったぜありがとう先生…


次、「舞台転換がアトラクションかよ」
上のと似てますけども。
舞台転換、めちゃくちゃ多いですよポーは。
めまぐるしい。
幕で仕切ったり色々やってなんとかしてるけど、あれはめちゃめちゃ多い。でも瞬時に人出させたりとか、無駄な移動時間はほぼゼロにしてるから(主要人物の早着替えもえっぐいなーと思いながら観てたけど)
色々間に合ってないのかそういう工夫なのか、普通に設置してると思ってたのが釣り物だったり。
なんかの柱が釣り物でびっくりしたし、
診療所かなんかの装置が実はせり上がったやつ状態で転換で収納されていったり。

「宝塚のバトン(釣りものを釣るやつ)の強度と装置の強度どんだけーーーーーーーーーー!!!!!!」
って思った人いない???????
割と本気でバトンの強度が気になってますよ私は。

ただライビュだと舞台転換わかりずらいですね…多分円盤でもわからないと思います…あんなにえげつない転換してるのに…ほんと…まじでえげつないから…。


次、「ゴシック調良いし一族の振り付け不思議カッコ良い」
ポーの一族〜の歌とか、それの手首かっくんってなったりイナバウアーっぽいフリとか。
群舞大好きマンなのでそのあたりも良かったです。
みんなちょっとバラバラのフリするんですよ。それがね、好きです。機械的な動きにときめきを覚えるらしいです。

あと「愛のない世界をー」って歌ってるとこの盛り上がりとかテンション上がります。
テンション上がりすぎて記憶が定着してません。すいません。
でもポーの一族のとこの歌は良いぞ…!

エリザベートのプロローグの「だーれーもーしーらーなーいー」ってとこの歌のフリ好きなのでそういうやつです。

あと、ラストのギムナジウムシーンのポップ調になったのも良い…涙腺緩みかけました。
悲しい曲調で泣かされるのは悔しいんですけど、ポップ調でクるとは思いませんでした。
馬鹿騒ぎしてる中静かに佇むエドガーとアラン…


次、「「ふふんっ」って感じの顔のエドガーもとい明日海りお最強」
この一言なんですけどね…ギムナジウムのとこの表情も良き…。

ギムナジウムの…アランをせり上がりのとこにひょいって登らせてあげるシーン!!!!あれ!!!!!!!!美!!!!!!!(突然のテンション爆上げ)

あとエドガーとアラン共にギムナジウムだと作画変わってませんか??なにあれ???なんであんな周りと違う雰囲気なの??作画違うよ??

えーとちょっと本筋戻ります。
少年だけども長く時を生きているそのなんか難しい役…
暴論、少年って元気に声高めにやればセオリーっぽいというかハズレ少ない気がします。
腕振り回して、落ち着き無くして、表情筋過労死するんじゃないかってくらいの。

でもエドガーってそうじゃない。
劇中は割とヴァンパネラ前のもあったんですけど、後半はどこか達観した少年(仮)
セオリー通じないんですよ。めっちゃむずい(素人考えですけど)
でもそこを成立させた明日海さんすげえな〜と思いました。

あと、他の方も書かれてたけど、萩尾望都、キャラの退場時に「バァイ」って言わせるんですよ。

「バァイ」ですよ。
難易度高くないですか??
日常生活思い出してくださいよ、別れ際に言われたら「なんだこいつ」ってなるじゃないですか。

でもポーはならなかったんですよ私。
もうワールドが萩尾望都になってたからではと思います(すごく言い方が抽象的)
アランくん言ってたのでもうSo Goodって感じです。

ご本人も化粧頑張ります。とおっしゃっていたし、ビジュアル面もとても工夫してらっしゃったんだろうなーって。
でもいくらビジュアル面頑張っても、演技がアレだったらただのコスプレ大会なんですよ、むしろ喋らずにそこらへんに佇んで写真撮影会の方がまだ良いわ!!ってなる。

しかし!!!!ならなかった!!!!!

ならなかったんですよそんな悲劇には。
「写真も良いけど動いてる方がより本人」でした。
凄いっすよこれ。
挙動ってすごく難しい。
目線や腕の角度、可動域、歩き方振り向き方…諸々
全て完成してこそ成り立つんですよ…やばいですよ…


と、大まかに書かせていただきました。
まあね、ユーシスとオズワルドが奥でちょろっとしか出なかったのとか、舞台装置良いって言いつつ、でもちょっと舞台転換多すぎる気がするとか、萩尾望都ガチ勢にも安心して観ていただけるかは解釈の違いによっては戦争なんじゃないかなと思ってるとか色々あるんですけど(会見で小池先生は「私が演出するんだから私の解釈をみろ!!!!(意訳)」的なこと言ってらしたのでまあそういうことなんでしょうけど)

まとめ:
「舞台装置も曲も豪華だし、何よりこの世のものとは思えないほど美しいものが観れるぞ!!!」
というので大成功じゃなかったかなと思います。


あ、あとこれだけ「と、飛んだーーーーー!!」
後にも先にも男だけで飛ぶの無いですよ多分…逆にこの作品以外男同士で飛ぶのは謎ですね。
ベルばらも飛ぶらしいんですが、オスカルとアンドレは…男女の枠だと…思います。


以下、適当に語りたいだけのなんかよくわからないやつです。

漫画を舞台化するときの難関は「2次元をいかに3次元に落とし込むか」だと思います。
まず人物の骨格とか風景とか、いかにそういうのを「それっぽく誤魔化すか」が重要なわけです。
だって2次元って自由じゃないですか。
想像数だけ無限なんですよ。
ただし舞台化すると、

・人がやる(関節など可動域の限界)
・舞台装置等の予算
・装置の作り
・そのそも何十mの幅と奥行きでその世界を表現しなければならない

制約ばっかです。どMかよってかんじですね。
特に1番ネックなのが

「場面転換」

これ、やりようによっては一気に興ざめするし、テンポ悪くなるし良いことほとんどない。
あんま無い方が好ましいとも聞く。
漫画だったらいっくらでも場面転換できるんですよ、一方その頃…とか余裕なんですよ。
ただ舞台だと前と後ろ高くして分けて演じるとか、上下サスで振ってやるとかしないといけない(舞台装置も考えないといけない)

めちゃくちゃ難しい。

今回は超高速スピードの転換やら盆やらフル活用でどうにかなってたと思います。


あと、割と贔屓目に観てるんですけど、柚香光さん、舞台稽古写真見たけどアランまんますぎません????いやアランの髪型割と実現しやすいから恵まれてるのもあるんですけど…

なにあれ(驚愕)

いやージェンヌってたまに金髪が地毛なんじゃないかってくらい似合う人がいて凄いですね、骨格の勝利です。なんなら地毛でも良かったんじゃないかな…

あととても余談ですが、いつか古川雄大と柚香光が兄妹役で舞台出てくれたら私は這ってでも観に行きます。あの2人顔の主張力似てる気がする。

あと、これに限らない素朴な疑問なんですけど、なぜ宝塚は主役や2番手さんに常時ピンスポ当ててるんですか…?
いやその方が主張できるとか単純にわかりやすいとか色々あると思うしそういうルールならそういうことなんだろうと思うんですけど。

あとあんだけピンスポ酷使してるから、田舎の会館とは違って自動追尾機能とかついてんだろうなーと勝手に思ってたんですけど、あれまだ(?)手動なんですね?????なんで?????
照明さん生きて…

あとトップさんのピンが1番明るいというか輪郭しっかりしてるんですね…(天河で思った)

と、こんな感じです。
まとまりない文章でした…。