ゆうくれない

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星組エル・アルコン感想

星組エル•アルコン/Ray観てきましたー!

6月の公演が延期となり、待ち望んでたエルアルコン!

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全ツの予定が梅芸だけになってしまったのがなんとも悲しい。

 

ちなみに去年の今頃は星組ロックオペラモーツァルトを観ていたようで、コロナで公演数が減っているのもあってなんだか今年の記憶が無い。もう1年経ったのか…。

 

以下がっつりネタバレあります。

 

星組トップスター礼真琴、踊らせてよし歌わせてよし、なんでも来い!!な人だと改めて認識しました。

エルアルコン歌が結構難しくてかっこいい。

プロローグの曲がめちゃくちゃかっこいい。

そして曲の最後の方にティリアンが「私は」って歌ったあとにティリアン以外が「エル•アルコン」って歌うのがまたかっこいい。名乗りを他人にやらせるみたいでかっこいい。

しかし、難しい歌を難なく歌いこなせる人はもっとかっこいい。

難しい曲って振り回される人もちょこちょこいるんですが、礼真琴は割と自分のものにしてましたね。いいぞ。

 

星組は幻耀の谷/Ray以来ですが、この公演の礼真琴の印象は、少年ジャンプに出てくるような友情!努力!勝利!(この劇だどっちかというと平和)な青年がうまいなーという印象でした。

 

〜よもやティリアンのような色気大爆発な男も似合う役者だったとは、このときの私は知る由も無かったのでした〜

 

真琴ティリアン恐ろしくハーレクインコミックス系でしたね。すみれコードでセーフなんですねあの役柄。

元々ハスキーめな声質なんですが、それに吐息多めの台詞、気怠げな目と相まって色気大爆発でした。

年齢いくつくらいなんだろうか。漫画だと24歳くらいみたいなんですが、それくらいかもうちょっと若いかな…パンフに初演の舞台写真も観たらビジュアルはだいぶ印象違って大人な雰囲気。

でも個人的に礼真琴は30代より20、10代の方が良さそう。

 

貴族の女性陣をなんやかんや虜にしてて、ティリアン一体どういうテクニックを使ってるんでしょうね。

彼の戦場は海とベッドの上なのではないだろうかとちょっと最低なことを考えたりしてました。

 

エルアルコンは息を吸うように人が死ぬんですが(主犯はティリアン)、ティリアンって己の突き進む道を邪魔する者を徹底的に排除するだけで特に恨んだりはしてないような気がします。割と理論的ですね、相手が善人だろうが悪人だろうがそれは関係無い。

ギルダの前だとそうはいかないのがニクいとこです。

 

ティリアンとギルダの関係性があまりにツボで、

ティリアンが最初に彼女に目をつけた理由が「戦略が良い」なんですね。才能に惚れる出会い最高じゃないですか。それでまた地上で会ったら嫌味言い合うし。なお最高です。

ギルダもギルダで海の上で暮らすものとしてのプライドがあって、そのプライドもまたティリアンを惹きつけるという。

ギルダたちが動き出したって聞いた時の「マドモァゼル…!」も喜び半分興奮半分と受け取りました。

ギルダの方は割と警戒心高く接してましたが、ティリアンは割とラブコール多かったですね、警戒心あんま無さそう。まあ地上戦の1対1でもティリアンが強いのが分かってるので不意を突かれなければ大丈夫なんでしょうけど。

 

最後は惚れた女の最期に動揺&我を忘れて不意を突かれたっていうところがまた…

ギルダティリアンも海の上で死ねて本望だとは思います。

 

あと、彼の家族観について。

家族に対してはそれなりに情はあったんじゃないかと思うんですよね、回想パートそれなりに多いし。

ただ家族といえども自分の理想を壊すのであれば手をかけるという徹底ぶりなので、そのあたりの感情は抑えていたのかなと。母親は無条件でそれなりに好きそう。

ギルダの島を占拠してしまった父親を首吊りで殺すんですが、あのあたりは情よりも野望を優先する彼の特徴的な出来事ではないでしょうか。

「老いたな…」というセリフにもあるように、かつて己生きる道を指南した憧れの男ではあるものの、その輝きは今はもう影が無いしその姿を見てもう踏ん切りがついたのかと。

 

そして問題の首吊り後に死体をティリアンが膝枕する問題の印象的なシーンなんですが、首吊りの死体を床に置くなりそのまま退場させるなりすればいいのに、あえて膝枕。膝枕!!!!!!!!!!!

このシーンについて狂ったように呟いてたのわたしだけのような気がしてならないんですが、なんですか皆さん鍵垢で呟いてるんですか。もっと話題になってもいいでしょう!!

だって殺した男をわざわざ膝枕ですよ、生かして逃すわけでもなく殺してからの膝枕ですよ。

敬意の表れと表現するかたも見受けられてなるほどなーとも思いましたが、個人的には膝枕って非常に女性的な面が大きい(大抵膝枕するの女性な気がするので)ティリアンがするのが意外すぎて困りました。

うーーんただの妄想ですが、髪も目もジェラードに似たけど、顔の作りとかそのあたりが母親似だったとしたら、最後に長年会っていない母親のフリというかそういう振る舞いをして父の最後を送ってやったのかなあと思ったりしました。多分違うと思います。5分間くらいでこねくり回しました。

「母上、ジェラードはお送りしましたよ」

ってセリフもあってそれなりに敬意はあるんでしょう。個人的に言葉を選ばないで言うならめっっっちゃエモいシーンだったんですけどね。

 

脚本の諸々について

正直中盤の脚本がゴタゴタしてるし、ティリアンのパートが重い&アダルティーなのでその分をルミナスやジュリエットがポップ担当してるんでしょうけど、温度差が凄くて気絶しそうでした。

ルミナスを主人公にするとジャンプみたいになりそうですね、全年齢対象の友情努力勝利。ただ戦闘力がイマイチっぽいので(ティリアンが強いだけかもしれないですが)どうなんだろうな…とも思います。

ただ、ティリアンは野望のために力を得てその力で行手を阻む人々を死に追いやってるのに対し、ルミナスは強くはないものの、その情の厚さで仲間が増えていく対比の役割もあるんでしょうね。

 

演出について

演出が全ツ用に盆やセリが無いホールでもできるようにとしてたんでしょうが、奇しくも今回は盆も!!セリもある梅田芸術文化センター大ホールのみの公演!!!!!

盆もセリも動かせばよかったじゃないですか〜

さいとう先生のいいとこはダイナミックな舞台使いではないのですか〜

観ながらぼんやりこれが宝塚大劇場だったもうちょっと迫力出るんだろうなあとか色々考えてしまった悲しみ。

 

なんやかんや言いましたが、拙い絵で恐縮ですが全ツ形式で良かった演出について棒人間で描きます

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※パネル移動方向はうろ覚えです

パネルで隠れた瞬間に突然人が入れ替わる!!かっこいい!!(前後の距離感はありますが)

 

今回セリが動かない分活躍したパネルくん。

ゴリッゴリにプロローグなんですが、多分セリがあったら幼少期ティリアンがセリ下がり、ティリアンがセリ上がりで出てくると思わしき場面、舞台袖からただ出たりハケたりするのも物足りないのでパネルを使った一工夫でした。

 

パネルが動き出した瞬間「これは…!(裏にティリアンいるやつだな)」と思ってその通りだったんですが、パネルの動きがそれなりのスピード(体感)でタイミング合わせるのも大変だったろうにと、結構難易度高い場面だったと思います。

ただオレンジの木を回収するときはがっつり木が見えていたのでそれはあかんやろと思いました。

 

ああいうパネルの技好きなのでまた見れると嬉しいです。ただ盆もセリも使ってほしいです(わがまま)

 

あと照明も人物に直下で当てるんじゃなくてクロスさせるのあってかっこよかった。宝塚の照明ってクロスさせる照明あんま無い気がしたので珍しいなと。(比較は劇団キャラメルボックス)

 

あと星球も使っててこれまた珍しい気が(ショーでは出てたりしたような?気がするんですが)

 

早くBlu-ray見直したいです。