1/11ソワレ 影を売った男(그림자를판사나이)
※ネタバレ含む
良い曲、良いアンサンブル、役者、あらゆるものでぶち込んでくる凄くハイカロリーな作品。
でも最後はスッキリ消化されてる。
テトリス式に降りてくる迷路、シンプルな舞台装置でありながら場面転換が大胆で映像を綺麗に使っている。
しかもこの迷路、分割してあるので奥から手前に時間差で下ろしてきてそれもそれで見応えあるし、所々人を隠せるので、舞台上に人がいる状態で迷路にしたり、逆に迷路状態から上に上げて人物を突然出現させたりできるめっっっちゃ良い舞台装置。見た目も利便性(?)も良い。最強。
歌詞のほとんどは分からなかったので(韓国語がまだ数単語しかわからないので…)考察もなかなか難しいので感覚的に「良かった」としか言えないのがとても悔しい…
映像、できれば生でぜひ見て欲しい。
役名だとグレイマンなんですけど、ネタバレまんまで悪魔って書いてます。
曲も舞台装置も良いんだけど、まあ何より悪魔が主人公の唯一の心の拠り所である使用人のベンデルに化けてる設定ですよ。
一気に地獄度が増す仕様にしてる製作陣にスタンディングオベーション。
そしてベンデルの時は悪魔の灰色スーツの上に羽織りものするだけなので観客に隠す気が一切無い。
早着替えする必要が無くなるし何より観客に分かりやすい。めっちゃ合理的。
そして悪魔とベンデルの兼ね役という美味しい役どころだなあとも思いつつ。
私の観た回は悪魔/ベンデルがヒョンジンさんだったので、他の方の感想からみるとベンデルの年齢が1番高いっぽく。他の人のベンデルがどんな感じか気になるなあ。
悪魔のままなんだけどペーターが錯乱してて気がつけてない(と思ったけどちょっと違うのか?わかんないけど)シーンもペーターの錯乱具合がよく現れていました。
あと全体的に衣装がヒラヒラしているものが多いのでダンスが映える映える。
お気に入り衣装はリナの帽子被ってる時の衣装。めちゃかわ。
あと悪魔のグレースーツ。スーツっぽい形だけど、裾が別れててヒラヒラする。とても良いヒラヒラである(良いヒラヒラとは)
あと上がってた動画見てみたら中に着てる服ノースリーブになってるんですねwwwwいやびっくりした。長袖じゃないんだ。
ペーターは中のピンクシャツも長袖なのに…(冬公演だから長袖でも良さそうなのにと思った)
ベンデルもするから(羽織りものもあるから)それでノースリーブなのかな。あとは動きも多かったり、そもそも上のスーツの生地が分厚いのかな…などと考えてました。
いや〜豪華な装置もいいけど、やっぱり舞台って人がつくってるんだなあと感じるものでした。
様々な心情の移り変わりを映像でも投影するけど、影の人たちなどで表現している。
生身の人間がすることで、無機質なようで無機質じゃないこの感じ…。
人の動きで奥行きを作って、人の動きで空間を動かす。そのアイデアすごい。
人で舞台を立体的にできる。すごい。
あとこの演出家、人の視覚情報に感情を上乗せした風景を描くのが上手い。
例えば悪魔が魂を明け渡す証書?にサインを求めるシーン。
あそこは現実だと悪魔1人だと勝手に思ってるんですが、ペーターから見たイメージだと、あの証書は実物よりも圧迫感があり(大きい)
自分を取り囲んでサインを強請って周りをうろつかれ視界をそれで覆われるほど圧を感じてるんだと。
あとは個人的に幾何学的な動きが好きなので、目隠しをつけた影たちが時計の秒針のような音に合わせて手を動かす振りが好きで。
超個人的な感想ですが、プロローグ曲「날 부르네(僕を呼ぶ?)」後ろの映像がめっちゃ荒れた海で、波しぶき凄くたってるので「東宝…って出てきそう」って思いながら見てました。それだけです。
あそこの照明、まず後ろからあてて、少し経ってから上、最後に前からと順番にした照明が増えていって明るくしていったの面白いし「これは照明期待できる…!」とワクワクしながら観れました!照明全部よかった!なんというかライブっぽいやり方だったけど(ライブ行ったことないけど)
各キャラについて
ジフペーターが大型犬で可愛くて。
ゴッドブレスユーの曲の時の「?」の顔可愛かった…はしゃいでるときの守りたいこの笑顔感すごかったです。
あまりにも彼が人畜無害なのにどんどん追いやられていく姿がもー泣けてくる。
黒のフード被って人々の視線から逃げようとするけど無理だよジフペーター…186cmもあるしガタイ良いから街中めっちゃ目立つよ…
あとペーターの持ってる傘だけ影になる映像よかった〜!
ラストの裸足で出てくるシーン、全ての重荷が取り払われて、朝日が昇るような笑顔だった。満面のってのよりはスッキリした顔だったなあ。
関係ないけど馬車の装置、ジフペーターには小さいと思う…
枠でいうと新人らしいチャンジフさん。うそやん。韓国の新人のポテンシャルに恐れ慄く。ある程度できるようにならないと板の上に立たせてもらえないんだなあ。
地声は落ち着いた低めの声っぽいんだけど、歌うと割と高くなる。地の低さで歌声を支える感じ歌い方をする。
そしてグレイマン(悪魔)のヒョンギョンさんの出立からの異様さ…手のウネウネ…と姿勢が人間と異質感が凄くて…オーラでわかる異様さって凄い。
ヒョンギュンさんのペーターは悪魔がやってるっぽいちょっと胡散臭い?感じでした。他の人のだともうちょっと幼い?みたいで気になるなあ。
セリフが全然わからなかったんですけど雰囲気で「おっ今悪魔ってネタバラシしたとこか?」とかちょっとわかったような気がしました。
悪魔やってるときは楽しそうでした。
あと3m超えくらいの装置上あたりでちょこちょこ演技しててそこも見どころだった。あの舞台の高さエグい。
ある程度の高さなら太くいけるぜ!なんなら得意な音域はぶっとく歌えるぜ!!な力強い歌声ヒョンギュンさん。
ペーターもグレイマンも歌う曲歌う曲サビしか無いようなめっちゃ盛り上がるのばっかだし、そして難曲ばっかなんですけど見事歌いこなしていました…喉強いなあ…。
あとペーターの影の方
しなやかかつ大胆なダンス(?)ですっごく綺麗だった〜。ペーターの影を見てグレイマンが手に入れたい欲求(?)が出るシーンのダンス(もはや綺麗すぎて舞)
説得力が凄い。ありすぎる。とても魅力的な影。どうにかして欲しいと思える動きでした。
わーーーーほとんど韓国語分からなかったので表情とか偏った視点でしか考えられないもがくやしいぐらい良い作品でした。