ゆうくれない

何かを観た感想だったり諸々書き連ねた何か

花組 巡礼の年 感想

仕事のありとあらゆることが嫌になっていてムキになっていたらいつの間にか花組公演のチケットを2枚取っていました。そんなこんなで雪組ファントム以来の同じ公演を2回目観るという私なりの暴挙に(大千秋楽の配信見たりはするんですが、役替わりあり以外だと2回以上足を運ぶことがそんなに無く。)

 

一回目は初日の翌日、二回目は千秋楽の前の週ということもあってか、全体的に満足度が高いのは二回目かなーと。割と皆さん本番を何日も経ていたためか演技や立ち回りに余裕があったような。

 

巡礼は生田先生の二次創作(パンフのコメント参照、意訳)と本人が言ってるのでしゃーねーな!!!という気持ちで後半のエヴァみたいな突然の謎空間タイムを楽しんでください。

 

ー感想ー

 

初日の観劇勢が流してくる謎の単語「ピアノだんじり

 

その言葉の謎を追って私は宝塚へ向かったのであった・・・。

 

二回観てもどうしても(ゲーミング)ピアノだんじりは笑いますよ。

なんだあの静寂からのディスコ&ピアノの電飾&動くお立ち台

あっと驚き☆生田先生の手にかかれば19世紀パリが昭和のジュリアナ東京に早変わり☆

ですかね。あそこの稽古に参加したい。めっちゃ面白そうじゃん。

ピアノだんじりという言葉と聞いて、まさかピアノの上に乗るんじゃないだろうな・・・?と思いましたがさすがにそれは無かったですね。よかったよかった最低限の敬意はあった。

 

にしても当時のアイドル的な存在としてもてはやされたリストを柚香さんにあてようとした生田先生ほんと…お中元送りたい…。

あのキラキラ輝くビジュアルに抱えきれない自己肯定感の低さの組み合わせはギルティですよ。

柚香リストが輝けば輝くほど虚無の影が濃くなるのほんと〜

勲章ゴテゴテの柚香さんほんと虚無かわいいです

最終的に登り詰めたところで全てが無に帰すのほんとに虚無ですね。それがマリーも関わっていたなんてほんと虚無!最高!!

 

ショパン(才能)、マリー(貴族の身分)とリストの身近な人物たちはリストが欲しいものを当たり前に持っててさらにそれが酷ですね〜

マリーとショパンが白い服できゃっきゃふふふしてるときに

リ「姫と爺やじゃ身分が違いすぎる」

マ「あら?そんなこと気にしてるの?」

みたいな台詞があったんですが、

これこれこれ〜持ってるものは持たざるものの気持ちなんか分からんのですよ!!しれっと断絶シーン入れてくるの良いですね〜

 

ショパンだとよくカチキレるリストもかわいいです。

ていうかリストくんショパンに甘え過ぎですよねえ

芸術家たちの屋根裏部屋のシーンで

リ「お前だけは俺のことを分かってると思ってた」

みたいなこと言ってましたが、おいおい自他の境界線曖昧なんか?というかあんなに天才ぃ(ぎりぃ

してたのにいざというときはニコイチみたいに思ってんの?可愛いかよ。

常に顔色良くなさげなまいてぃーショパン、キャンキャンワンワン騒ぐ柚香リストの対比がとて良かったですねれいまい。

「天才はみんな短命だから自分も短命がいい」

ってお前(リスト)そんな勘違い芸大生みたいなこと言ってんなよ厨二病かよとか色々思うものの、そこはまあまあ落ち着けよって宥めるショパン

どうした前世に徳積みすぎたんか前世菩薩か??

 

というかあの芸術家たちのワイワイわちゃわちゃが大学のサークルみたいですよね。いるんですよああいう才能あるけど人望無いやつ(リスト)と、何もかも持ってる菩薩みたいなやつ(ショパン)

 

あと巡礼での柚香さんと水美さんがちょこちょこ踊るんですけど、各々の踊りのタイプが違って改めて面白いな〜という感想。

柚香さんのダンスはどことなく柚香節があるが別に癖が強すぎるとかではなく魅せ方が上手かったり、メリハリのつけ方が上手い。基礎そのものもしっかりしてそうでそこに遊びがあって、かたや水美さんはあくまで基礎に忠実なクラシックさが魅力な気がする。どこを切り取っても基礎に忠実な美しさで、その基礎から溢れ出る美しさが魅力。マイティーの軸のブレないピルエットがすごいですよね〜。

なのでどこか派手さのある柚香さんのダンス、基礎に忠実で凛とした美しさのある水美さんのダンス、どちらもダンサーだし上手いんだけどちょっと毛色の違うダンスなので観てて楽しいですね。なので2人もそれを狙っているのか演出家が狙ったのか、巡礼だとそれが顕著に感じて。

あとリストが音楽院に入れないシーンの後のショパンの天才を具現化したダンスシーンがあるんですが、周りの生徒が拙く精一杯に踊るところを水美さんはそれは美しく完璧に整然と踊る訳です。ああいう天才を表すシーンは色々できますが、「水美ならダンスだろう」となったのも納得。

巡礼を見ていると、「アイドルリスト」と「天才ショパン」の対比がありますが、これそれぞれ役者さんダンスの現れではないだろうか…と勝手に思っているわけです。

 

そんな生田先生のれいまい布教のおかげでれいまいに注目していたんですが、花組の4番手以降も割と育っていて見応えがありますね〜。

ほのかちゃんとか前までほわっとしてて可愛い系だったのにいつのまにあんなに男臭い男役ができるようになったの…!とか、

ほってぃーはどこか声がほわっとしていて、タールベルクが可愛く見えてしまったり、

有終の美、音くり寿の伯爵夫人のキャラが濃いし、パリから離れて戻って来れると思うなよソングの節目がちな闇の微笑みの怖さといったら…!

あとあと芸術家の中の若手の希波らいとくん(身長178)のスタイルのえぐさ…大丈夫か内臓入ってるのかと心配になる脚の長さ。

 

などなど。ショーはもちろんラビリンスがオススメです!!!!!!!!!ダンサーと歌うまのコラボレーション!!!!!!!!